2020.01.15 Wednesday

1/13 辛島輝治演奏会〜門下生と共に・終了報告

1月13日(月・祝)は、「辛島輝治演奏会〜門下生と共にvol.3」が浜離宮朝日ホールで開催されました。

 

 

全国から集まった門下生10名と辛島輝治先生が演奏しました。

 

私はラフマニノフ:前奏曲op.32よりno.10, 12, 5, 6の4曲を演奏しました。

 

過去2回も出演させていただいている辛島先生の演奏会は、ものすごく緊張します。毎回新曲だったので、今回は弾き慣れたものを選びました。それでも緊張するのには変わりませんが(笑)

 

大きなホール・フルコンでラフマニノフを弾く、というのは喜びを感じます。ラフマニノフのサウンドは、やはり大舞台にふさわしい、と思うからです。no.10のインスピレーションとなったベックリンの「帰郷」、no.12の雪景色を思い浮かべながら、その瞬間に出したい音を出せたと思います。やっぱり自分が自由になれる作曲家はラフマニノフなんだ、と実感もしました。自分がヨーロッパを旅している時に感じる心身共に自由な感じが、ラフマニノフの中にもあるのです。

 

沖縄の恩師も来て下さり、身内耳とは思いますが「完全にコントロールされた純度の高い、あなたにしか出せない音」「会場の空気感が変わる」と言ってくださいました。このコンサートで毎回幹事をしてくださる先生からは「あなたの演奏は3回目だけど、今回はすごく包容力が増していて成長を感じる」と言ってくださいました。同級生のお母様も「大人になった」と(笑)

 

若い頃は変化こそが成長の証だと思い、色々考えて紆余曲折・試行錯誤で自ら変化を求めてきました。ここ数年はそういうことはしていないので、それでも成長していた、というのは、それは人生の経験から来るものだと思います。自然ににじみ出てくる、そういう年齢になったのだな、とありがたく誉め言葉をいただきました。

 

休憩時間に演奏した同級生3人で写真撮影↓

久々の再会です!一緒に過ごした時期から約20年です!

 

そして後半の部の素晴らしい演奏を客席で聴き、最後に辛島先生の演奏でした。

「限りなく練習する必要を痛感しています」というプログラムノートの言葉。ずしんときました。

 

83歳になられるのに、暗譜でシューベルト即興曲op.142を全曲演奏された先生。たいてい、年齢と共にテンポも遅くなっていくものですが、先生の演奏にはそういうのがありません。さらさらと流れるシューベルトの音楽の中に、温かな響きと粒のそろった美しいパッセージがきらめき、暗譜の心配など全くなく、本当にすごいと思いました。

 

思えば、先生は芸大のお忙しい時間の中でも、欠かさず3時間練習すると言っていました。そうでなければ、この年齢で弾きとおせないだろうと思うのです。今になって、先生は根っからの演奏家だったのだ、とわかりました。

 

終了後は、懇親会で同級生とひとつ年上の先輩と笑いの絶えない時間。

先生とも写真を撮っていただきました。

楽しく充実した一日になりました。この刺激を糧に、また精進してまいります。

 

聴いて下さった皆様、本当にありがとうございました。

2020.01.11 Saturday

新年明けて

改めまして、あけましておめでとうございます!

2020年のおみくじは久々の「大吉」でした!

全て順調なようなので、それを信じて気持ちを楽に生きようと思います。何度も言っていますが、今年は「健康」を第一に生きるのです!

 

ピアノは、新たなリサイタルシリーズやお仕事が始まるものの、それぞれを楽しめたら良いな、と思います。そろそろその境地に達したいと思うのです。

 

今年はデビュー20周年です。

2000年に私の人生の全てが動いたと思っています。藝大受験の数週間後の国際コンクールで優勝して、たくさんのリサイタル契約をいただき(沖縄・札幌・ポーランド2都市・ベルギー・数年後のウッジ(ポーランド)フィルと協奏曲共演)、留学を強く意識するようになりました。そういうことになるとはつゆ知らず、受験・コンクール前は「受験で失敗、もしくは国際舞台で通用しないならピアノを辞めて浪人して、某大のロシア語学科に行こう」と考えていて、センター模試を受けに行く度に、第2希望にその大学名を書いていました(笑)

 

そして帰国10年目の年でもあります!

早いなぁと思います。2010年1月はまだ就職先が決まっていなくて、2月にはベルリン芸大の卒業試験もあり、何もかも不安で、ほぼ絶望しかありませんでした。2010年の新年はベルリンは大雪が降り、そんな中ポツダムの大きな公園を歩きました。自分の心情と併せて忘れられないです。

おかげさまで2月末に尚美学園大学の勤務が決まり、4月から今までお世話になっていますし、ラフマニノフを全曲弾きとおす、という目標を実現でき、CDも2枚リリースできました。

 

生徒を教える目標では「海外志向」を当初から挙げていましたが、海外に留学したり国際コンクールにチャレンジする子たちが来てくれました。そうではない子もいますが、彼らからも教える・成長を見守る喜び、伝統を継承する大切さを感じさせてもらいつつ、大学では副科も教えているので、色々なレベルの子たちに対してどのように教えたらいいのか、もだんだん確立されてきたように思います。

 

この先、30、40周年と言えるような節目に、新しいことを書けるようになっていればいいな、と思いますが、決めないことにします。決めると有言実行型で頑張ってしまうので。とにかく健康第一なので(笑)

 

ということで、今年もよろしくお願いいたします!

 

 

2日に帰国して、翌日からレッスンで、5日には試演会でした。

受験生と試験前の子たちです。

それぞれ本番までに残された時間を大切に、頑張ってほしいです!

 

私も13日に本番があります。

とても緊張する舞台で、今回は弾き慣れた曲を弾くという変な緊張感(前回・前々回は新曲で、緊張と新曲のハラハラが相まって合体していましたが、今年は変な感じです)

そういった気持ちも楽しんで、門下生の演奏、辛島先生のシューベルトも楽しみにしたいと思います。

 

 

 

2020.01.08 Wednesday

年末年始一人旅(2019)ヘルシンキ6日目・最終日Sinebrychoff Art Museum

最終日を迎える朝5時、突然アラームが鳴り響きました。寝ぼけながら、どこかの部屋の目覚ましだろうと思っていたのですが、だんだんと意識がはっきりするにつれて、アラームと認識しました。

 

そして「火災警報です。現在確認中です。落ち着いて部屋で次の指示を待ってください」というアナウンスが4か国語くらいで入りました。もちろん日本語はないので、注意深く聞かなくてはいけません。でも、アラームは鳴りやみません。

 

すぐに着替え、セーフティーボックスからパスポート貴重品を取り、停電になったらドアも開けられなくなるだろうと思い、部屋のドアも開放。外に出ることを考えて、コート・帽子をかぶりお水もカバンに入れました。(地震の時の心得が役に立ったように思います)

 

廊下を見ると、みんな心配そうに時折ドアから顔を出しています。3回目のアナウンスで、部屋から出てロビーに向かうことを決心しました。

 

2階だから何かあっても飛び降りればいいだろう、と思いながらも、この部屋がレストランの真上ということもあり、火元が下だったらどうしよう、という怖さもありました。仮に上の階で無事だったとしても、実際に火事だったら調査も入ったりで帰国させてもらえるのだろうか。これらの買い物品は燃えてしまうのだろうか。など、色々なことを考えました。

 

非常階段でロビーに出ると、20名ほどは降りてきていました。フロントのお姉さんが、「どこかの部屋で喫煙した人がいて、火災報知器がなった。安心してください」と伝えていました。

 

一応再確認して、部屋に戻ろうとすると、私が降りた時よりもはるかに多い人が階段を駆け下りてきました。その人たちに簡単に事情を説明。2階の廊下も、部屋から人が出てきていたので、事情を説明。御礼を言われて不思議な気持ちに。

 

その後も気持ちが落ち着かないので、母に電話して雑談をしていたら、ようやく30分後にアナウンスが入り、大丈夫ということが確定しました。

 

こんなこともあるんだなぁと思いながら、非常口の確認もしておかなくてはいけない、と思いましたよ。

(私は用心深いので、毎回ホテルの部屋に描かれた非常口を確認しています)

 

 

こんなことの後には眠れないので、朝ごはん時間を待って、最後の朝食はこちら↓

 

帰国便は17時なので、ホテルのチェックアウトタイムの12時までは近所をウロウロすることに。

 

最後にして晴天!

 

新年と思えない道のキレイさ!(ベルリンは花火のゴミできたないです)

 

この日、ほぼ唯一開いている美術館Sinebrychoff Art Museum へ向かいました。徒歩圏です。

 

途中、日本のラーメン屋さんもあるマーケットを通り

 

到着。

 

ロシア系商人の家の様子と、バロック時代の絵画が展示されていました。

 

やっぱり古いものに惹かれるので、こういう美術館はワクワクします。

 

 

 

オルゴール付きの時計。妻へのプレゼントだそう。その音源を聴くことができましたが「ジーグ」などのバロック音楽でした。

 

 

 

こんな家に住めたらいいよね、といつも思います。

 

その後、少し周りを散策。

 

旧オペラ劇場(現在も劇場)

 

ロシア時代の建物みたいです。

 

良い言葉ですね。私もこういうタイプだったと思います。

 

ホテルに戻って荷物をとって、空港へ向かいました。ホテル向かいの景色です。

 

ヘルシンキ空港で少し驚きのこと。

普通は荷物検査・パスポートコントロールを通ったら免税ですが、ヘルシンキは違います。普通の値段で買って、同じゲート内にある免税カウンターで手続きをしなければいけません。NON シェンゲンエリアは新しくなり、ムーミンカフェやラーメン店もありました。

 

 

 

ヘルシンキは、普通に明日からでも住めるような街でした。歳をとってから訪れても大丈夫そうです。

 

幾つか自分のためにもメモです。

 

・キオスクやスーパーにゲーム機が必ず3台くらいあって、普通の身なりをした大人が一人で黙々と遊んでいる。

・先進国が移民の労働力に頼る中、ホテルの朝ごはんのウェイトレスもフィンランド人(学生に見える)。女性の雇用が多いように感じる。(火災報知機が鳴った時に対処していたのも女性)

・物価が高いといえど、スーパーや交通はそうでもない。外食は高い。

・交通のチケットは、路駐用の精算機でも買える。

・サブウェイ→バーガーキングの順で多い。マックはそれほどでもない。

・徹底したエコ精神。デパートでも品物のみ渡される。

・ワンコが多く、ペットショップも多い。

・船乗り場や美術館など、ほとんど電子化ゲート。そこに案内人もいない。どうやって入るか「考える」。わからなければ「訊いて」「助けてもらう」日本は親切すぎて、どうすべきか考えることがないし、仕事として助けてくれる人がいるから、人とコミュニケーションを取ることがなくなる、と思いました。スオメリンナ島に行くときに、色々な国の人がチケットの買い方などを英語でコミュニケーションを取りながら助け合う、という様が記憶に残っています。

2020.01.08 Wednesday

年末年始一人旅(2019)ヘルシンキ5日目・オペラ鑑賞&カウントダウン

フィンランド国立オペラ&バレエの「ラ・ボエーム」を見に行きました。

 

シンデレラのディスプレイも

 

19時開演ですが、18時15分頃に到着。

日本からオンラインチケットを購入した時に、開演前と休憩時間(30分)の軽食・ケーキの注文と、その席の確保についての申し込みオプションがあったのですが、もちろん私はしておらず‥(開演直前に食べて、トイレ行きたくなったりしないの?と心配になります)

テーブルには予約者名が示されていて、そのせいか混雑・雑踏もなく、オシャレな軽食やケーキ・お酒をたしなむ人々で溢れていました。

 

人々のオシャレ度も抜群でした。ポーランドやドイツは「女は髪の毛命」みたいなところがありますが、この日見たオシャレさんはベリーショートの女性も多く、素敵な人が多かったです。

オペラの壁面はガラス張り。その向こうは湖です。日中や夏はさぞかし素敵な景色と思います。

 

18時半になってホール内に入れます。チケットチェックはホール内に入る時です。

 

近代的ですっきりしたホール。これが見たかったのもありました↓

 

私は一番安い3階席で55ユーロ。両側には、一人席も!

この席、いいなぁと思いました。

 

私はホールの密集地帯に座って聴くのがすごく苦手です。隣の人の息づかいとか匂いとか体温とか、そういうのが気になります。

一人席だと自分の世界に浸れますもんね。一人席、素敵なアイディアだと思いました。

 

演目は「ラ・ボエーム」

ポーランドでもドイツでも見てきた演目です。

舞台セットにはお金をかけているように見えました。写真にあるような観覧車もありましたし。

 

出演者のほとんどはフィンランド人です。すっきりした顔立ちで演じられるラ・ボエームは、今まで見てきたものとは違って見えました。

今やオペラには色々な演出があります。

 

ポーランドではポ人の出演者のみで、「ミミ」役が超美人の細身で、衣装がスリップのみ(笑)舞台は現代風で暗闇にベットとテーブルがあるだけ、のような感じでした。

ドイツでは国籍色々。「ミミ」役が少し年配の女性で、相手役が若手‥‥舞台は当時をイメージしたもの。

 

歌い手の歌唱力と外見、舞台演出の好みが、理想と必ずしも一致しにくいのがオペラの世界だと思います。でもオペラの良いところは、目と耳で楽しめるところ。

 

そしてオペラも私がフィンランド人のピアノ演奏に対して思う感想と同様、すっきりした音楽観で、魅せる熱量は少ないものの、嫌な感じはしない、という感想でした。

 

この数日間、ヘルシンキに滞在して、目に入るすっきりしたデザイン性(インテリアだけでなく、広場・道路・メトロなどの公共の場も)、余裕があり落ち着いた人々の振る舞い(イライラしている人が少ない!)、シャイながら丁寧に人と接する感じ…こういったものが、そのまま音楽に表れているようでした。

 

21時半に終演して、ホテルに戻りました。花火の音がちらほら聞こえてきました。

 

24時。2020年の幕開けです。

TVではヘルシンキのカウントダウンが放映されていました。

 

ホテルの周りも、個人の花火が打ちあがるものの、ドイツほどではなく(ベルリンは空が真っ赤になるほど打ちあがります)

窓から、花火鑑賞をしました。

 

 

大嶺未来 Miku Omine

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大嶺未来
沖縄県出身。東京藝術大学附属音楽高校卒業後、ワルシャワ・ショパン音楽院首席卒、ベルリン芸術大学ディプロマ課程卒、国家演奏家資格課程卒。
ルービンシュタイン記念若い音楽家のための国際コンクール(ポーランド)、サンセバスチャン国際コンクール(スペイン)で優勝。プラハの春(チェコ)、ヴィオッティ(イタリア)などの著名な国際コンクールで上位入賞後、2005年ショパン国際コンクールセミファイナリスト。2009年スタインウェイ・ベルリン賞(ドイツ)受賞。
2013〜2016年ラフマニノフピアノソロ曲全曲奏破。2016年発売のファーストCD「ラフマニノフ:ソナタ第2番/練習曲集「音の絵」作品39」はレコード芸術特選盤。現在、尚美学園大学非常勤講師。

Coming Concert 2020

★3月27日(金)PTNAステップトークコンサート大泉学園春季(東京)

★4月4日(土)ラフマニノフ全曲解説講座vol.4(東京)

★5月23日(土)PTNAステップトークコンサート伊丹春季(兵庫)

CD発売中

★2019年6月7日リリース ラフマニノフ:ピアノソナタ第1番/練習曲集「音の絵」作品33

●レコード芸術準特選盤をいただきました!

★2016年リリース ラフマニノフ ピアノソナタ第2番/練習曲集「音の絵」作品39

★レコード芸術・特選盤に選ばれました!
★読売新聞サウンズBOX・推薦盤に選ばれました!
★音楽現代 準推薦盤に選ばれました!

全国有名CDショップ、アマゾン・タワーレコードオンライン・HMV等にて好評販売中!

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